従来のインターホンとIPインターホンの違いを比較
- カギ舎
- 2024年9月23日
- 読了時間: 11分
更新日:2月26日
近年、従来のインターホンに変わる新しいシステムとして、IPインターホンが注目されています。IPインターホンはIPネットワーク技術を使用して、従来のインターホンでは実現できない柔軟な運用を可能にする通信システムです。IPインターホンは従来のインターホンと違い、複雑な工事が必要なく後付けも簡単にできます。簡単な工事で取り付けできるので、導入や後付けのコストをおさえられます。IPインターホンを導入すれば、従来のインターホンでは実現できない訪問者とのやり取りが可能になります。
◎従来のインターホンが抱える課題
築年数の古いマンションや住宅に設置されている従来のインターホンは、室内に設置する親機から玄関に設置する子機に電力を供給しており、親機と子機が配線でつながれています。IPインターホンとは異なり、呼び出しと応答機能という基本的な機能のみが使用できるインターホンが多いです。モニターがない機種の場合、声のみで訪問者を確認するため防犯性に欠けます。築年数が少し新しいマンションには、オートロック付きの機種も設置されています。オートロックマンション向けの従来のインターホンシステムは、集合玄関機から個人の部屋を呼び出すと、住人はモニターで来訪者を確認してオートロックを解除します。また外からマンションの敷地内に入る場合は、集合玄関機を鍵や暗証番号などで解錠します。マンションの新築時にインターホンシステムを導入する場合、建設工事の際にインターホン用の配線工事も行われるため、建物の完成と同時にシステムも構築されます。しかしマンションに後付けする場合、従来のインターホンはIPインターホンと違い、全住戸で配線工事を行う必要があります。そのため全戸の住民への説明や承認必要になり、工事が複雑になるので日数もかかります。すでにオートロック向けの従来のインターホンシステムを導入済みのマンションでも、経年劣化などで取り換えが必要なる場合があります。住戸側の機器がひとつだけ壊れているような場合でも、IPインターホンと違い物件内全ての機器をまとめて交換する必要が生じることもあります。IPインターホンと違い高額なコストが発生するため、管理費から支払う余裕のないマンションでは対応に困ります。近年、従来のインターホンシステムに設置できる、スマートフォンに連動した機種も増えています。自宅にいなくてもスマートフォンで応対したり、電子錠と連動させて遠隔から解錠することなども可能です。ただし、全ての機種に最新で便利な機能がついているわけではないため、機器の特徴をよく調べてから導入する必要があります。
◎従来のインターホンとIPインターホンの違い
従来のインターホンとIPインターホンはいくつか大きな違いがあります。従来のインターホンとの違いを正しく理解し、建物の規模やニーズに応じた最適な選択をすることが重要です。防犯性や管理の一元化が求められる現代のマンションやオフィスビルでは、IPインターホンの導入が増えています。
⚪︎IPインターホンと従来のインターホンの通信方式の違い
IPインターホンは、LAN配線を通じて電力を供給するPoEという技術を利用しています。PoEハブを使用したりPoE給電に対応している機器を使用しているため、配線での給電が必要ありません。従来の一般的なインターホンはIPインターホンと違い、アナログ方式です。IPインターホンと違い、親機と子機が物理的に2本1組の配線でつながれています。配線はチャイム用のコード(通信線)とVVFケーブル(電源線)の2本です。チャイム用のコードは、訪問者が子機のボタンを押すとチャイムの音や訪問者の音声、映像などを親機に伝える役割があります。VVFケーブルは、親機に電源を供給するためのケーブルです。VVFケーブルは、100Vの高電圧に耐えるため線が太いです。従来の一般的なインターホンを設置するには、IPインターホンと違い、これらの配線について正確な知識を持った電気工事士に工事を依頼する必要があります。IPインターホンではない従来のインターホンのなかにも、配線が必要ないワイヤレスインターホンがあります。ワイヤレスインターホンは、子機に乾電池を入れるか充電する必要があります。親機は、電源コードをプラグに差し込むか、専用のバッテリーを入れてコンセントに挿して使用します。配線工事をする必要があるため導入は簡単ですが、定期的な電池交換や充電が必要です。IPインターホンと違い、あくまでもその機器固有の電波が届く範囲で通話できます。外出先からスマートフォンで来客を確認できる機種などもありますが、別途インターネットと接続している必要があります。
⚪︎IPインターホンと従来のインターホンの機能の違い
IPインターホンだけでなく従来のインターホンでも、最新の機器であれば遠隔からスマートフォンで応対できます。訪問者に呼び出されて応対した瞬間から録画や録音を行えます。室内にいる場合もデバイスが手元にあれば玄関まで解錠しに行く必要はありません。外出中の宅配からの呼び出しには、スマートフォンで応対し宅配ボックスまで案内できます。さらに集合玄関の扉を解錠し、住居の玄関前に置き配してもらうことも可能です。技術の進化によりIPインターホンと従来のインターホンは、機種によっては違いがほとんどないほど機能面が充実してきました。しかしIPインターホンは、IPネットワークを通じてIPインターホンと録画録音機器、映像機器、音声機器、IP電話機、パソコン、スマートフォンなどをひとつにつなげられます。IPインターホンと従来のインターホンは、より広範囲でセキュリティ性の高い一元管理がしやすいという違いがあります。
⚪︎IPインターホンと従来のインターホンの運用の違い
IPインターホンと違い従来のインターホンでは、ひとつのインターホンシステムに対して1〜5台程度の機器しか接続できません。また出入り口の多い建物や敷地が広い施設では、工事が複雑になりコストがかかります。しかしIPインターホンは従来のインターホンと違い、数百台単位で接続が可能です。IPインターホンで機器を追加する際は、PoEハブを利用したりPoE給電が内蔵されている機器であれば、IPネットワークと各機器をLANケーブルで接続するだけで運用できます。IPインターホンは従来のインターホンと比べて、各機器への配線や給電がLANケーブル1本接続するだけで可能になるという違いがあります。従来のインターホンはIPインターホンと違い、基本的に親機と子機を物理的に配線でつなげる必要があり、接続できる数にも制限があります。またIPインターホンと違い、敷地内で建物や部屋の増設をした場合に、後付けで追加するのが難しいです。IPインターホンなら従来のインターホンと違い、後付けで設置する際にも手間とコストが大幅に削減できます。IPインターホンは、各部署や部屋にインターホンの機器を設置すれば、管理事務所などから一元管理が可能です。たとえば来客応対設備と放送設備など、複数の設備管理を一元化することで、管理や運用が効率化されます。従来のインターホンは、一元管理するためにサーバーや制御装置が必要です。配線が複雑なため工事の日数が長くなり、一元管理のためのコストも高額になります。IPインターホンは、簡単に一元管理できるため情報伝達が円滑にできます。各部署と管理事務所をつなぐ場合なども、リアルタイムで映像と音声で情報を伝えられます。従来の電話やメールなどの情報伝達方法と違い、迅速で正確な情報共有が実現します。
⚪︎IPインターホンと従来のインターホンのセキュリティの違い
IPインターホンは音声や映像を送受信する際に暗号化の技術を使用しているため、外部からの不正なアクセスや情報漏洩を防げます。IPインターホンは従来のインターホンと違い、許可された人物のみが認証されて、システムにアクセスできます。さまざまな認証方法があるため、利便性やセキュリティレベルに合わせてシステムに最適な認証方法を選べるのも魅力です。IPインターホンは従来のインターホンと違い、システムへのアクセスや操作を定期的に監視・記録します。そのため、早期に不正アクセスや異常な動作を発見でき、対応が可能です。またシステムの脆弱性に対して定期的にファームウェアを更新し、最新のセキュリティパッチを適用します。さらに設定の変更や重要な操作を行う際には、複数の認証方法を組み合わせることでセキュリティレベルを上げることが可能です。IPインターホンは従来の一般的なインターホンと違い、防犯カメラや非常灯などのセキュリティシステムとも連携できます。緊急時は映像から状況を把握し、遠隔で適切な対応が可能です。通話内容や映像を録音・録画できるので、トラブルが発生した場合に後からその場面を確認して証拠とすることもできます。IPインターホンと違い、従来のインターホンはカメラやマイクがついていない機種もあります。音声のみの識別になるため、なりすましや強盗などによる不正侵入を防ぎにくいです。室内に人がいて応対することが前提なため、訪問者が呼び鈴を鳴らしても応対できないと、留守であることが簡単に知られることになります。
◎コメリットのIPインターホンの特徴
コメリットは、1956年にイタリアで設立された世界規模の会社です。製品は世界90カ国以上に輸出されており、インターホン市場では世界第3位のシェアを誇ります。コメリットのIPインターホンは従来のインターホンと違い、イタリアのメーカーならではのスタイリッシュなデザインが特徴です。最先端のIP技術で、高いセキュリティ性を誇ります。コメリットのIPインターホンのオートロックシステムの解錠は、複数の認証方法からセキュリティレベルと予算に合わせて選べます。2つ以上の認証方法を組み合わせたり、スケジュールや回数でアクセスを制限したりもできます。
コメリットのIPインターホンは、住戸の室内モニター機器とスマートフォンのどちらでも応対できます。室内の機器が未応答の場合、スマートフォンに転送もできるため、在宅していたのに応答できなかったということも減らせます。さらに従来のインターホンと違い、室内に機器を設置しなくてもスマートフォンだけで応対ができるのは、日本国内でコメリットのインターホンのみです。さまざまな機器を自由に組み合わせられますが、室内への機器の設置が必須ではないので、導入費用をおさえられます。コメリットのIPインターホンは、LAN配線で全ての住戸機器がPoE給電に対応しているので、各住戸の電源工事が不要になります。コメリットのIPインターホンは、コメリットアプリをインストールして使います。スマートフォンだけでなくパソコンやタブレットなどほかのデバイスでも同じ機能が使えます。電波のつながる場所なら世界中どこでも応対が可能で、複数のモニターやほかのデバイスとの映像通話もできます。コメリットのIPインターホンは、機種によってさまざまな外部機器と連動します。全ての管理をネットワーク化し、効率的な運用が実現できます。そのため従来のインターホンと違い、環境に合わせて最適なシステムを構築できます。
◎コメリットのIPインターホンの導入事例
IPインターホンを導入するなら、建物を利用する人の利便性を高め、建物のセキュリティを強化できます。建物の用途や必要な機能などに合わせて、カスタマイズした導入が可能です。
⚪︎インターホンの集合住宅での導入例
IPインターホンは、中古マンションへの導入でも簡単に後付けできます。IPネットワークを利用するため、工事はLAN接続のみです。全ての住戸機器をPoE給電対応にするなら、各住戸の電源工事も必要ありません。IPインターホンを新築マンションに導入するなら、マンションの利便性と防犯性を高められます。集合玄関などに設置する際、機器のデザイン性が高いため、マンション販売での付加価値も高まります。サーバーやほかの機器を設置するための余分な場所も必要ないので、導入費や維持費も低コストです。
⚪︎IPインターホンの大型複合施設での導入例
IPインターホンをオフィスビルや大学などの大型複合施設へ導入すると、リアルタイムで顔を確認しながら通話し、録音・録画も同時にでき便利です。自宅のパソコンや離れた事務所からでも来訪者に対応できるため、窓口業務の効率的化で人件費の削減につながります。さらにユーザー認証システムを導入するなら、物理的な鍵で解錠する必要がなくなります。不特定多数の1度限りの来訪者には、制限を与えて入室を許可するシステムも構築でき、大型イベントなどの受付の手間を省けます。
◎まとめ
IPインターホンは従来のインターホンと違い、多くのメリットがあります。IPインターホンは小規模な集合住宅やオフィスから、大規模な施設や複雑な運用が必要になる場所まで、あらゆる環境で構築が可能です。IPインターホンは、今後ますます従来のインターホンに代わり、導入が進んでいくでしょう。カギ舎では、高いセキュリティ性と利便性で安全な暮らしをサポートする、コメリットのIPインターホンを取り扱っています。新規取り付けや後付けを問わず、IPインターホンのご相談はカギ舎までお気軽にお問い合わせください。